11/23(金) 土楼に泊る
朝、がらーんとした中山步行街。
明晩はまたこのホテルに泊まるので、キャリーケースを預け、バックパックのみで出発。
チェックアウトのとき、フロントの料金表を見て、Booking.com が特に安いわけじゃないことを確認。こうなったら予約サイトを通す意味って何?
ともかく、まずはATMで人民元をキャッシング。
またもや問題発覚の予定変更
さて、厦門市内から永定土楼へ行く手段はバスか鉄道ですが、中国では一般的に、どこに行くにも長距離バスが便利です。
厦門市内にはターミナルがいくつかあって、市街地から一番近いバスターミナルが湖滨南汽车站??検索していて見つけた永定行きの時刻表はこちら。
9:10発に乗るとして、早めに着いて切符を買ってから朝食を取る予定で、流しのタクシーを捕まえて行き先を告げると
「は?そんなバスターミナルはもう無くなったよ。無くなって一年くらいになると思う。今は更地だ」
なんと、またもや出鼻を挫かれることに。どおりでブログで見た旅行記では、皆さん市街地から遠いほうのバスターミナルから出発しているわけだわ…。
普通に「厦门 永定土楼 公车」で検索して出た時刻表が一年以上前に廃止になったもので、私だけがそれに惑わされたってこと?なんで??*1
私「でで、ではもうひとつの枋湖客运中心へ行ってください…」
司「何時のバスに乗るの?」
私「えっと…(検索して)8:40」
司「……それはたぶん間に合わない。永定に行くなら鉄道は?駅に行く?」
鉄道での行き方をしっかり調べてなかったのと、中国の大きな駅の切符窓口にはうんざりなので、この提案を却下。ともかく枋湖客运中心へ行ってもらうことに。
司「永定って土楼? 土楼見るならnanjingなんじゃないの? 土楼が沢山あるって、みんな普通nanjingに行くけど」
私「nanjingとは初耳です(どんな字だろ?)。日本人はみんな永定に行くみたいだけど」
司「でもまあ、俺は土楼より武夷山の方が面白いと思うけどな」
てなお話をしながら、朝のラッシュ終わりかけの道を、監視カメラを気にしながらもところどころスピードを上げながら、ターミナルに到着。
司「もしかしたら間に合うかも…!この歩道橋を渡って、2階の奥が切符窓口だから、走れ!」
私「谢谢!!」
とのことで、全速力で窓口へ。幸い誰も並んでない!
「8:40の永定土楼行き1枚!」
「…そのバスはもう発車したわ」
残念…やっぱり間に合わず。
售票員によると、次の永定土楼行きは12:40発。または9:50発永定バスターミナル行きに乗り、そこで土楼行きに乗り替えるか。
もちろん後者の切符を購入。切符には氏名とパスポート番号も記載されてます。この切符+顔認証システムで、私の行動はすべてマークされてるわけね。
時間を少しロスしたことで、待合室にて旅程を再考することに。
当初の予定は
- お昼頃に永定土楼民俗文化村に到着
- 昼食後、民俗文化村および洪坑土楼群を散策
- 今夜の宿、初渓土楼群に日没までに移動
- 翌日午前は初渓土楼群でのんびりして、夕方頃に厦門に戻る
でも現状では、お昼を大きく過ぎて永定バスターミナルに到着、そこからさらに永定土楼民俗文化村に移動で、多く見積もってだいたい2時間くらいの遅れ?
日没までに初渓に着くとなると、洪坑にどれくらい滞在できるんだろ?
日没までに初渓土楼に着くことにこだわった理由は、こちらのポストを読んだから。
これは2011年だけど、そして幸い今日の天気は良好だけど、とにかく民俗文化村から初渓への交通事情、距離感がよくわからない。
時間が遅くなるならバイクじゃなく絶対に車に乗りたいし…現金をもうちょっと用意しといた方がいいかもと、ATMを探して再度キャッシング。
そして、どうやら今回の旅は思い通りにいかない気運みたいだし…と弱気になってきて、今日はとにかく初渓土楼に行くことに専念し、永定観光を明日に変更することに。
しかし結果的にはこれがベストな選択となりました。
永定、そして下洋へ
バスは定刻の9:50に出発、途中、ドライブイン的なところに停まって、軽く昼食をとる人も。
私はここで一房5元のバナナを購入。
実はこのとき、あまり体調が良くなく、日本出発直前まで咳と胃腸炎に悩まされていて食欲も無かったため、結局このバナナで、翌日のお昼まで食いつなぐことになったのでした。
13:20頃に永定バスターミナルに到着。
バイタクに乗る距離を短くするため、初渓土楼にできるだけ近いところまで公共交通で行こうと案内所で聞くと、14:10発下洋行きに乗れとのこと。
ここの售票員は外国人に慣れていないようで、私のパスポートを見て「どれが名前なの?」と言うので、surname欄を指すと、「え…?」と眉をしかめて凝視し、さらに下方の漢字の自署を見つけて「これは?」と言われ、「あ!そうそう、それも名前」という間抜けたやり取りをしてしまう。
ちなみに、この永定バスターミナルの壁全面に貼り出された時刻表には、湖滨南汽车站行きの便がまだ記載されていましたので、どなた様もどうかこれに惑わされませんように。
下洋へは20人乗り程度の小型バスで。フロントガラスに書かれた行き先はまさに「下洋/初渓土楼」。中学生くらいの子たちが通学で乗っていたのが印象的でした。
ところどころ、普通に人が暮らしている土楼がいくつも立ち並んでいる中を走ったりして、テンションが上がります。
15:00頃、終点の下洋に到着。食堂もやってる小売部みたいなお店の前にバスが停まりました。
私が乗っていたバスの運転手と、お店の人が立ち話をしていたので、
「初渓土楼に行きたいのですが」と聞いてみると、
「ここからはバイタクしかないね」
やはり。で、そのバイタクはどこに?
「あのへんにいるよ、おーい、初渓土楼だって」
うーん、車がいいんだけど…。さっそく乗れ乗れと促す運転手に、どれくらいかかるんですか?と聞くと、
「ほんの30分だよ。 30元ね」
ここまで来ると初渓土楼はもう近いのね。
ともかく他に選択肢は無いので、いよいよこれに乗ることに。バイタク初体験です。
バイクって、後ろに乗せてもらうにも技術が必要ですよね。カーブでの体重移動とか。私はやっぱり最初ちょっと怖くて、身体カチカチで、おっちゃんも運転しづらかっただろうと思います。
山道を延々と登ったり下ったり。でも道はきちんと舗装されていて安心。
山深くなって、一切誰ともすれ違わなくなったとき、まさかこのおっちゃんが豹変するなんてことないよね!?といった不安が脳裏に一瞬浮かぶも、肝心のここにはあの顔認証システムが無いのな。
ゆっくり走って30分足らずで初渓土楼古村落景区の入口に到着。入場券を購入。
前情報では70元とのことだったけど、請求されたのは50元。
バイクはさらに奥へ進み、南方特有の山肌に張り付くような立派なお墓なんかを通り過ぎて、ついに!日用品や干し柿などのお土産を売る屋台、簡易トイレが並ぶ広場に到着。突然視界が広がって、小さな川をはさんだ向こう側には、土楼が並んでいました。
この景色、なんだかおとぎの国に来たみたいで可愛らしい!
おじちゃんは、「また呼んでね」と携帯番号を手書きした紙をくれたけど、道のりを考えると、なかなか呼びづらいですね。
初渓土楼に泊まる
五円八方と言われる初渓土楼群の中で、私が泊まる餘慶楼は一番手前。
門を入るとおじいちゃんが座っていて、「あのう…予約しているのですが」と言っても特に反応がなく、まさか普通話(北京語)が通じないとか!?と立ち尽くしていると、やけに愛想の悪いお兄ちゃんがやってきて、スマホで予約をささっと確認したあと、手を出して「OK、はい160元」。
支払うと二階の部屋に案内され、タオルを一枚渡されて、チェックイン完了。
部屋はベッド、エアコン、テレビ、トイレ、シャワー付き。部屋の形もバームクーヘンの一切れみたいになってるのが面白い。
おそらくこの土楼に住んでいるのは1階の管理人一家だけで、2~3階がすべて客室の様子。*2
少し休憩して、初渓村を散策。
まずは向かいの展望台へ。この村全体を見下ろすことができる、絶景ポイントです。
再度集落側に戻って、あたりを散策。
土楼は主に斜面に点在していて、登りきったところに初渓小学校があります。さらにその周辺は、近代的な住宅も。
ここで入村料が50元だった理由を発見。一番大きな集慶楼が、2018年2月より修復のため閉鎖中でした(工事完了時期は未定)。
そのためか観光客はほとんど無く、のんびりと土楼の暮らしに触れることができました。
土楼によって、人がたくさん住んでいるところもあれば、ほとんど無人に近いところも。
基本的に出入り自由ですが、もちろん人と会ったら挨拶するのがマナー。皆さん快く迎えてくれます。また売り物を勧められたりすることはありませんでした。
上層階に登って良いか尋ねようにも誰もいないところでは、こっそり登ったりもしました。
ただ、日没頃、住民が食事や入浴をする時間になったとき、入口でたむろしている人はどうぞどうぞと言ってくれたけど、内部にいた人には「入ってくるな」と怒られたりもしました。
生活エリアを見せてもらう訳なので、このあたり礼節をもって参観するべきですね。
日没後は食堂や小売部*3もさっさと閉店し、漆黒の闇となるので、体調が悪いこともあり、水だけ買って部屋に戻って、バナナを食べて19:30には就寝してしまいました。